映画「終わった人」は終わっていない人の話だった

舘ひろしの「終わった人」を見ました。

大手銀行から子会社に出向して定年を迎えた男とその妻のお話で、奥さん役は黒木瞳でした。

東大出のエリートでありながら出世コースを外れて、こんなはずじゃなかった・・という思いを引きずっている夫と、グズグズしている夫を苦々しく見ている妻という感じで始まりました。

よくあるパターンですよね。定年になって毎日夫がいると粗大ごみのように邪魔に感じる奥さんが多いと聞きます。

再就職先を探してみても、なかなか思うようには進まず、「恋でもしてみたら?」などと奥さんにけしかけられる・・それもどうかと思うけど。

とにかく何かを始めようと思った挙句、大学に行くと言い出したのは、ちょっと現実味が薄いかな・・と思ったけど、その勉強のためにカルチャーセンターに行くのもどうなのかな。予備校の方がいいのでは?というのはさておき・・・。

そのカルチャーセンターで受け付けの若い子(広末涼子)に恋心を抱き、ちょっといい感じになっていくのは普通ではあり得ないけど、舘ひろしならあるかもと思わされるほど、やっぱりかっこよかったです。枯れた役をしても渋くてナイスミドルなんだから。

そして、ジムで知り合ったIT企業の社長(今井翼)に会社の相談役として雇われることになります。トントン拍子に進んでいって、こんなにうまくいくかな~って思うほど。

しかし、その社長の突然死により、いきなり社長になってしまうところから現実味のない話になっていきます。

終わった人と思われるのが悔しく、自分でも完全燃焼できなかった分、社長として会社を立て直すという無謀な挑戦に乗り出してしまったのかもしれません。結局は倒産して負債を背負うことになってしまうのですが。

多額の負債を背負ったら派手な夫婦喧嘩をしてもよさそうなものなのに、結構あっさりと片付いてしまいます。ほとんどは貯金で賄えるという・・すごいお金持ち!我々庶民とは違いますね。

そして奥様は旦那とは関係なく、新しく美容室を開くというリッチさで、旦那は旦那、自分は自分と自立されています。そこはいいんだけど、もう少し寄り添うところがあってもいいのでは?と個人的には思いました。

結局、窮地に陥った彼を救ったのは同級生の仲間たち。やっぱり地元はいい・・って感じで、地元に戻ることに。そして奥様とは別居生活へ。3か月に一度会うんだとか・・離婚ではなく卒婚だそうです。

いろいろと考えさせられる映画ではありましたが、ちょっとあり得ない展開が多すぎて、感情i移入がしにくかったです。

だけど、いくつになっても自分らしく生きたいな~定年になってから慌てるのではなく、少しずつ計画を立てたり、老後の人生を考えておきたいなって思いました。

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